こんにちは、こおろぎです。
東海道新幹線に、以前まで300系新幹線が走っていました。その300系は、当初、6号車、9号車、12号車にパンタが装備されて、進行方向の後ろの2つを使用。名古屋方面に向かって走るときは、9号車と12号車を使用、東京に行くときは6号車と9号車を使用。
ところが、300系のパンタは、大きなカバーが乗り心地に影響を与えていることが判明して、300Xの走行試験をもとに、9号車のパンタをカバーごと撤去することで、乗り心地の改良が図られました。9号車のパンタは順次撤去されていき、撤去した部分には大きなケーブルヘッドを設置、高圧ジョイントを装備しています。
6号車と12号車のパンタが常に使用されることとなり、カバーにおいては形状が変更されました。船型になっている部分は、台形もしくは、半流線形のものに取り替え。これによって、乗り心地は改良されていると思いきや…トンネルに入ることで、大きなカバーが、車内に揺れを起こす原因となり、その後、700系がシングルアーム式のパンタになったことで、これが大きな決定打となります。
300系には、従来の菱形パンタがついていますが、700系と同じようにシングルアームに取り替えられることとなり、全般検査に入った車両が順次取り替えていきました。パンタはカバーごと撤去されて、シングルアームのパンタとカバーを設置。
屋根にはパンタカバーのあとが残っていますが、シングルアームはちょっと内側の位置に取り付けられています。パンタの付け替えは、16両編成、70本に実施され、2003年にはすべての編成がシングルアームに。大きなパンタカバーがあったときは、かなり重圧な雰囲気があったものの、シングルアームになってからは、スマートな雰囲気に。
300系はシングルアームになったことで、だいぶ乗り心地も改良されました。2007年に老朽化のため、順次廃車が始まり、2012年に全車両が引退。300系、パンタにおいてはかなり変化の激しい車両であったことでしょう。
それでは、また。