おはようございます。こおろぎです。
かつては東海道新幹線に、300系が走っていました。高速で走れるようになったきっかけを作った新幹線で、1992年にのぞみ号にてデビュー。時速270キロで走ることができます。300系は、高速で走るので、騒音対策のためにパンタには大きなカバーがついています。
当初は菱形のパンタで、2両にまたがって大きなパンタカバーがついているのも特徴。6号車と、9号車、12号車についていて、それぞれカバーの形が微妙に違っているのが特徴です。2両にまたがっているカバー、5号車と、12号車は、船底のようにとがっていて、8号車と11号車の隣車カバーは台形、6号車と9号車のカバーは台形で同じ形。
パンタカバーがあれば騒音解消になると思いきや、乗り心地に悪影響を与えてしまっていることが判明。特にトンネルの中での揺れが激しくなり、対策を求められることとなりました。そして、300系はその後、300Xでの走行試験をもとに、乗り心地が影響を受けている9号車のパンタをカバーごと撤去。2両にまたがっている8号車と、9号車のパンタカバーはさっぱりきれいに撤去されました。屋根にはパンタを支えるつめや台座は残されており、「ここにはパンタがあったんだな」という名残が。歯形のようになっています。
そして、パンタを撤去した部分には、高圧ジョイントが設置されました。パンタがあった関係で、ちょっと大型のケーブルヘッドになっています。8号車のカバーがあった部分には、同じようにケーブルヘッドを装備。
300系は、9号車のパンタ撤去後に、6号車と、12号車のパンタカバーに変化が入れられまして、5号車と、12号車は舟底型であったものを、台形のものに取り替え。そして、6号車と、11号車にあった台形のパンタカバーを半流線形のものに取り替えて、そのまま菱形パンタは使用されました。新幹線は、6号車と12号車のパンタが固定使用となり、走行を続けていきました。
そして、パンタカバーは引き続き大きいままで使用されているものの、1999年に、700系が登場。この700系の登場が、パンタに変化を与えていくことになります。なぜなら、700系はパンタがシングルアームとなったため、300系においてもシングルアーム化されることとなったのです。
そして、300系が浜松工場に入ると、6号車、12号車の菱形パンタを撤去して、カバーもそっくり撤去。そして、5号車と11号車にあった隣車パンタカバーも撤去されて、新しくシングルアームを取り付け。パンタは、通常は台車の上の付近に装備されますが、1両で間に合わせるために、すこしずらして取り付けられました。
シングルアームになった300系には、屋根にはパンタカバーを撤去したあとが残っており、台座やツメが屋根についています。パンタカバーを固定するための台座などが点々としているため、こちらも見事に歯形が。
300系は、2012年に廃車されるまで、実に20年間活躍をつづけました。当初はパンタが3台あったものが、その後9号車のものを撤去して、カバーも形が変化。そのご、シングルアームと、パンタ関係の改造は2回起きています。
300系は、J1~29編成は、パンタが3台ついていましたが、J30編成からは2台で登場。300系は、シングルアーム改造されると、直ジョイント改造もなされました。それまでは1両ずつ傾斜型のケーブルヘッドがついていましたが、改造されると、ケーブルヘッドを撤去して、直ジョイント式に。なお、4号車と、5号車、12号車と13号車は大きなケーブルヘッドに変化。
300系は2012年に全車両が引退してしまうものの、8号車、9号車、10号車にグリーン車があるという点は700系、N700系に引き継がれていきました。
それでは、また。