おはようございます。こおろぎです。
新幹線は、昔はパンタが8個ありましたが、現在はパンタが2台で走ることができるのが特徴です。なぜなら、1991年に、ATき電方式となる設備が完成して、ブースターセクションを撤去。これにより、パンタの離線率を減らせるようになったのです。
さらに、パンタも半減使用できるように、架線と同じ電力の特高圧引き通し線は屋根に設置され、これをパンタとつないだのです。これによって、パンタは少ない数でも使用可能に。特高圧引き通し線は、100系で初めて採用されて、6基のパンタは3基にして使用。なお、最初はパンタで使用しないものは折りたたんで予備としていました。
その後、予備のパンタは使用されないこととなり、100系ではパンタの使用する部分も2号車、6号車、12号車のものを常に使用することとなり、4号車と、10号車、14号車のパンタは撤去されることとなりました。なお、カバーは残されています。このとき、カバーの色は白からグレーに塗り替えに。
特高圧引き通し回路の設置で、パンタがない4号車、10号車、14号車のユニットにも電流は供給できており、特高圧引き通し線の回路がユニットに電流を与えてくれています。パンタは2号車、6号車、12号車のものを使用して、特高圧引き通し回路とは母線でつないで電流が走ります。
そして、300系においても、6号車と、9号車と、12号車のパンタを使用して、実際には3基のうち2基を使用。1つは折り畳みです。当初は3台設置であった300系のパンタは、その後9号車のパンタを、カバーごと撤去して、パンタがあった部分には大きなケーブルヘッドを設置。パンタは6号車と12号車のものを常時使用。
なぜ、パンタが2台になったのかというと、9号車はグリーン車であり、多くの乗客も利用する車両です。9号車にパンタがあると、巨大なカバーが乗り心地に影響を与えてしまうため。このため、全般検査に入った際、9号車のパンタをカバーごと撤去して、新しくケーブルヘッドを設置。
このとき、大型のケーブルヘッドとなっているのは、9号車に引き込みの回路を設置するため。大型のケーブルヘッドからは、高圧線が屋根上から、妻面を経由して、床下に入っています。そして、パンタにおいては6号車と12号車を使用。カバーの形は、若干の改良もなされています。5号車と、11号車には、隣車カバーがついており、5号車は当初舟底型であったものを、台形に取り替え。そして、11号車は台形であったものを、円形に近いものに取り替え。
6号車と、12号車においては、6号車は台形であったものを、半流線形のものとして、12号車のものは舟底型であったものを台形に取り替え。300系はカバーを取り替えてからしばらくの間使用され、700系が登場すると、大きな変化が。
それは、パンタがシングルアームになったこと。騒音を防ぐことや、乗り心地を改良するために、パンタはシングルアームに取り替えられることとなりました。パンタの取り替えにおいては、浜松工場に入場して、菱形パンタをカバーごと撤去。そして、シングルアームを設置します。
シングルアームは、車体のちょっと内側の方に取り付けられて、パンタには高圧線のほか、車体の床下にも引き込みがなされました。シングルアーム改造によって、ほかにも高圧線に関しては改良がなされて、1両おきにケーブルヘッドを設置してあったのを、直ジョイント改造。ケーブルをじかにつないでいます。
それでも、分割ができるように、4両おきにケーブルヘッドは設置がされています。そのケーブルヘッドは、既存よりも大型になっています。なお、8号車と9号車においてはそのまま生かされました。当初は300系、パンタが3基で、菱形パンタであり、大型のパンタカバーがあったもののが、改造によって、9号車のパンタはカバーごとなくなり、その後6号車と12号車のパンタにおいても、改造によって、菱形パンタがカバーごと撤去されて、シングルアームを設置。
シングルアーム改造によって、6号車と12号車の屋根にはパンタカバーを撤去した後がそのまま残っています。300系は、最終的にすべての編成がシングルアームに載せ替え。2012年にすべて廃車されるまで、活躍をつづけました。
菱形パンタ時代は、乗り心地もかなり激しい揺れがあり、シングルアームになってからは、揺れはほぼ解消。ちょっと不思議な構造です。300系の後任は、700系、そして、N700系に変わっていきました。
それでは、また。