こんにちは、こおろぎです。
クハ111 158ときいて、皆さんはどんなものを連想されるでしょうか。かつて、静岡地区で活躍した113系電車で、東海道線で活躍して、おもに113系の4両編成に連結されて走りました。昭和42年に川崎車輌で作られまして、古い車輌の特徴である、大型前照灯、窓のすみが丸いところ、通風器がグローブ式という、この3点が昔の113系の特徴です。いちばん前の通風器は、乗務員室に風が入るように、箱型にされており、工夫されています。
昔の113系は、いまのように冷房もなく、グローブ式の通風器のしたに、扇風機がついていて、その風が乗客の気持ちをたくさん和ませたでしょう。それに扇風機には、国鉄をあらわすJNRマークも入っています。JNRマークがあると、国鉄時代の雰囲気を感じることができます。
クハ111 158は当時大船に配属されましたが、のちに名古屋地区に転属して、JRになってからは東海道線で名古屋地区を中心に走っていました。1999年ごろに静岡に転属して、静岡地区を中心に走るようになったようです。4両編成で、東京向きに連結して、大きなライトを照らしては昔のままの姿で活躍していました。
デッカイすがたのライトは、迫力あっていいものです。ライトのふたは、ちょうネクタイのような留め金で固定されていて、その部分もおしゃれに見えます。静岡地区には以前はたくさんあった大型ライト車も、数を減らしていってしまい、いまでは東海道線で113系を見ることができないので、思い出です。
クハ111 158は、国鉄時代に改造も受けました。非冷房であったため、浜松工場にて冷房を取り付けるもの。その冷房改造工事は、かなりの大掛かりなもので、AU75冷房を取り付けるには、屋根の補強が必要となり、さらに車体も補強するものです。天井にあるスピーカーと、予備灯は端っこのほうにずらされ、冷改によってダクトも取り付けがされました。このダクトの取り付けで扇風機を撤去することとなり、スイッチがあった部分は、カバーでふさがれました。
運転台の後ろには、冷房の制御装置を取り付けたので、その運転台の後ろにあった窓はふさがれることとなったのです。さらに、箱型の通風機はなぜかグローブ式のものに付け替えがされました。さらに、クハ111ー158は車内もリニューアルされて、化粧板は、茶色のものに変えられまして、座席も茶色系に変わります。同じように床も貼り替えがされました。
さらに、座席のところには、けこみ板がありますが、その部分はグレー塗装であったのが、ステンレスに取替がされています。
クハ111-158は、大垣地区メインに活躍しましたが、1999年に、静岡地区に転属して、4両編成で活躍をしました。鉄道ファンでないと、もとは大垣にいたことも知らないかもしれません。電車に詳しいひとですと「あれ?この車両静岡にいたっけかな?」と反応できるかも。東海道線で、活躍してくれましたが、クハ111-158においても老朽化は否めず、その後大垣にあったクハ111-166が転属して、158を差し替えて運転するようになりました。158、浜松工場で解体がされています。
なお、クハ111-166は、静岡地区では、113系のラストの大型ライト車となったのです。いまでは、クハ111-166も廃車となっており、その姿を見られるのは、リニア鉄道館のみ。ちなみに、クハ111-166も冷房改造がされていて、こちらはちょっとダクトの形が違います。
クハ111-166は、ダクトが2000番台とかと同じように八角形のようになっていて、蛍光灯はダクトに斜めにつけられています。158においては、ダクトまで張り出していて、水平につけられていました。なお、クハ111-166は冷房改造の際に、同じように運転台の後ろのまどがふさがれましたが、わずかに小さな窓が設けられていました。
クハ111-158、166ともに、大型ライトが印象的な113系です。
それでは、また。