こんにちは、こおろぎです。
秋になると、草むらからは美しい鳴き声が聞こえるようになります。コオロギの声です。コオロギには、いろんな種類がおり、その中でも「えんまこおろぎ」は、日本のコオロギのなかで最大です。当然、ほかのコオロギよりも大きくてパワフルで、大きさにすると3センチほど。
えんまこおろぎは、卵から成虫になるまでに、さなぎには変化しない、不完全変態の昆虫です。卵から生まれると、最初は体をうすい膜がおおっていて、前幼というもの。土の中から出てくるまでに、幕が体を守ってくれるのです。そして、地上に出ると、その膜を脱いで、コオロギの形になります。
ちょっと本文を書く前に、「前幼」というのを調べたところ、グーグルのAIが「前幼とは成虫になる前の幼虫」とありますが、図鑑などでは、「卵から出てきたばかりの幼虫」という意味をあらわしており、ちょっとびっくりしてしまいます。子供のころから、よく図鑑を見てきた私にすれば、AIによる前幼の説明は、目を疑ってしまいます。成虫になる前の幼虫は、終齢です。
さて、ちょっと脱線しましたが、えんまこおろぎ、幼虫になってから、成虫になるまでに、何回か脱皮をしなくてはなりません。ほとんどの場合、7回脱皮をして成虫になります。えんまこおろぎは、成虫になるまでに、「試練」が7回も待ち構えており、スリル多めです。
幼虫が脱皮をするまでに、たくさんエサを食べていきます。そして、ある程度日にちがたつと、幼虫はえさを食べなくなります。脱皮をするためです。そして、脱皮が近くなると、近くの草に足を固定して、そして脱皮をします。
脱皮の時は、体がとてもやわらかいため、幼虫は気を付けなくてはなりません。特に最後の脱皮は羽化。この羽化をすることで、最後の脱皮を終えることとなります。羽化をしたえんまこおろぎは、羽をのばして、体が固まるのを待ちます。そして、無事に体が固まれば羽化は終了。
それに、脱皮をしたえんまこおろぎは、最後に抜け殻を食べちゃいます。詳しいことはわかっていませんが、幼虫の時も脱皮が終わると、最後は抜け殻を食べてしまうので、面白いです。
えんまこおろぎは、草も食べれば、ほかの虫も食べてしまうという、雑食性です。なんでも食べます。えんまこおろぎにすれば、食べる虫はバッタ。よわっているバッタを見つけると、大きなあごでかみついて、ばりばりと食べてしまいます。
こおろぎにすれば、秋はしっかりとエサを食べなければなりません。えんまこおろぎ、たくさん食べるのは、子孫を残すために、たくさん食べます。メスはおなかの中にたくさんの卵ができており、おすと交尾して、秋の終わるころには、地中に卵を産んでいきます。
しかし、えんまこおろぎは、めすがおすを食べることも。卵を作るための栄養としているのかも。秋は、えんまこおろぎの鳴き声をぜひ楽しみたいものです。
それでは、また。